初心者必見!「5大シャトー」とは?フランス・ボルドーワインの特徴

ボルドーワインについて初心者向けに解説

フランスのボルドー地方はワインの生産が盛んです。

現在ではブルゴーニュ地方と並ぶ高級ワインの巨大生産地になっており、5大シャトーを始め世界で高評価される銘柄もあります。

日本でも知名度の高いボルドーワインですが、味や銘柄などについて知りたくありませんか?

以下ではとても奥深く、そして美しいボルドーワインの世界をご紹介していきます。

「ワインの女王」と呼ばれるボルドーワイン

ボルドー地方はフランスの南西部にあります。

この一帯は気候が安定しているほか、他の地域と比べて水はけがよく、ブドウ作りに適した条件が整っています。

こうした事情があるからか、実は紀元前よりブドウ栽培が行われていたようなのです。

ワインが造られ始めた時期は不明ですが、12世紀にボルドー地方はイギリス領となり、本格的にワインの生産が始まりました。

以来ヨーロッパの王族や貴族に高く評価され、高級ワイン生産地としての地位を築いていきました。

なお、ボルドーワインは複数のブドウ品種をブレンドして造られています。

使われるブドウ品種は、赤ワインではカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、白ワインではソーヴィニヨン・ブランやセミヨンが一般的です。

ボルドー地方で生まれるワインはバリエーション豊かで、「ワインの女王」とも呼ばれています。

女王の名に恥じない奥深い味わいが特徴で、女性のような気品高さや繊細さも感じられます。

様々な銘柄が造られていますが、甲乙つけがたいでしょう。

それほど、どの銘柄も美しい味わいなのです。

ボルドーワインの造られ方の特徴

上でも少し触れましたが、ボルドーワインは複数品種のブドウをブレンドして造られています。

フランスの高級ワインといえばブルゴーニュワインもありますが、こちらは単一品種のみでワインを生産しています。

この点がボルドーとブルゴーニュ各ワインの大きな違いといえるでしょう。

ボルドーワインは複数品種のブドウを使うことで、各銘柄それぞれで違った味わいを表現できます。

ブルゴーニュワインでは「畑の土壌や気候」がワインの味に影響しますが、ボルドーワインは「生産者(シャトー)の個性やこだわり」が影響するのです。

様々な銘柄を飲み比べてみるのも、ボルドーワインの楽しみ方の一つでしょう。

ただ、ボルドーワインは大半の銘柄が赤ワインで、白ワインや貴腐ワインはあまり造られていません。

しかし、ボルドーの赤ワインは非常にバラエティに富んでおり、個性あふれる様々な銘柄が存在します。

一方、白ワインも十分個性的で、他の高級ワインに引けを取らない味が楽しめます。

ボルドー5大シャトーとは

ボルドーワインを語る上で欠かせないのが「5大シャトー」でしょう。

5大シャトーとは、19世紀に開かれたパリ万博で第一級に選ばれたワインです。

メドックという地区から数十の銘柄が選出され、その中から4つのシャトーが第一級格付けを取得しました。

1973年に新しくシャトーが1つ追加され、現在は5大シャトーと呼ばれています。

5大シャトーは、ボルドーワイン全体の生産量の数%を占めるに過ぎません。

一方で知名度は世界トップレベルであり、希少価値も相まって価格は高めです。

中には古くからフランス貴族に愛されてきた銘柄もあります。

他の銘柄を凌駕する人気を持っており、ボルドーワインといえば5大シャトーを浮かべる方も少なくありません。

では、どの銘柄が5大シャトーに数えられるのでしょうか?

“シャトー”を冠する銘柄は様々ありますが、以下で詳しく解説していきます。

シャトー・ラフィット・ロートシルト

1つ目が「シャトー・ラフィット・ロートシルト」です。

ルイ15世の時代に晩餐会で供されたことがあり、それ以来「王のワイン」と評されています。

古くから王族・貴族に親しまれてきたボルドーワインの一つで、しなやかで奥深い味わいが魅力です。

伝統的な製法を守り続けている銘柄でもあり、特にワインを熟成する「樽」へのこだわりが大きな特徴といえます。

ワインの熟成に使われる樽は、樽専門の工房などが作ったものを使うのが一般的です。

しかしシャトー・ラフィット・ロートシルトは樽までも自社製造しており、わずか数人の職人が数千個もの樽を作り続けています。

樽まで自社製造するシャトーはほぼありません。

また、現代のテクノロジーを極力排し、伝統的な製法でワインを生産しています。

ブドウの収穫はもちろん、その後の熟成へ至るまで、あらゆる面でワイン作りへのこだわりが感じられます。

シャトー・マルゴー

2つ目にご紹介するのが「シャトー・マルゴー」です。

文豪のヘミングウェイが愛したワインとして知られており、5大シャトーの中で最も女性的な味わいと評されています。

その理由はなめらかな舌触りにあります。

赤ワインというと渋みを浮かべる方が多いと思いますが、シャトー・マルゴーはタンニンの渋みが上品で、舌触りが非常に良いのです。

そのため本当に赤ワインなのか疑いたくなるほどのなめらかさがあります。

風味は優しく丸みを持ち、まさに「女性的」という評価が的を射ています。

熟成によって風味が様変わりするのもシャトー・マルゴーの面白さでしょう。

瓶詰め直後は尖った味わいなのですが、3年・5年と経るに連れて味がまろやかになり、10年も経つ頃には優しい女性的な味わいへと変化します。

逆にシャトー・マルゴーを楽しむなら、最低でも10年程度は寝かせておくべきでしょう。

シャトー・オー・ブリオン

3つ目にご紹介する「シャトー・オー・ブリオン」は、5大シャトーの中で唯一メドック地区以外から選ばれた銘柄です。

その点でも異彩を放っていますが、16世紀頃から作られている歴史の長いワインです。

ウィーン会議で振る舞われ、その味に魅了された各国の首脳陣が態度を柔らかくした、という逸話も残っています。

数あるシャトーの中でも最新技術の導入に積極的であるのもポイントでしょう。

シャトー・オー・ブリオンでは、ステンレスタンクの導入やコンピュータによる管理など、ワイン生産に様々なテクノロジーが取り入れられているのです。

こうしたテクノロジーを活用することで、安定した品質を実現しています。

味わいは非常に柔らかく、どこか親しみやすさを感じられる風味に仕上げられています。

メルローというブドウの割合が高く、その独特の味わいを実現しています。

シャトー・ラトゥール

4つ目の「シャトー・ラトゥール」はラベルが特徴的な銘柄です。

フランス語で「ラ・トゥール」は塔を意味しており、シャトー・ラトゥールのラベルにも塔が描かれています。

このラベルは長きに渡って使われており、シャトー・ラトゥールのシンボルにもなっています。

品質は安定しており、長期熟成が可能なのも特徴です。

最低でも20~30年、ヴィンテージ次第では50年の超長期熟成に耐えるといわれています。

長期熟成されたシャトー・ラトゥールは価格も高騰しており、プレミアが付くことも珍しくありません。

非常に強いタンニンの渋みから、味わいは男性的と評されることがあります。

赤ワイン本来の味を楽しみたいならぜひ一度飲んでみましょう。

ただ、寝かせることで渋みがまろやかになり、ふくよかで丸みのある風味に変化します。

こうした味の二面性を楽しめるのもシャトー・ラトゥールの魅力です。

シャトー・ムートン・ロートシルト

そして最後が「シャトー・ムートン・ロートシルト」です。

ラベルが話題になることの多い銘柄で、様々な芸術家がラベルのデザインを行っています。

過去にはピカソやダリなど、著名な芸術家がラベルを描いており、ファンの間で高額売買されています。

ラベルで価格が変わる一面を持つ、少し珍しいワインといえるでしょう。

なお、パリ万博以降に第一級の格付けを取得した唯一のシャトーでもあります。

実は1855年のパリ万博で決まってから、シャトーの格付けが変わることはありませんでした。

しかしシャトーの所有者は精力的にロビー活動を行い、1973年に第一級の格付けへと変更されたのです。

その結果、4大シャトーから5大シャトーへと改められました。

シャトー・ムートン・ロートシルトは華やかな味わいが特徴です。

渋味や香りのバランスが取れており、余韻としてブドウの甘みが楽しめます。

アーティスティックなラベルに注目されがちですが、中性的な奥深い風味も魅力のワインです。

通販サイトで買えるボルドーワイン

ボルドーワインといえば5大シャトーを思い浮かべる方は少なくありません。

ただ、いずれも入手が困難であり、価格面からも手を出しづらいのが実情です。

気軽に飲めるものではないため、飲む機会は限られてしまいます。

しかし、ボルドーワインは5代シャトー以外にも、様々な銘柄が売られています。

以下で挙げる3つは全て通販で購入できる銘柄です。

ボルドーワインを飲んでみたい方は、まず下記のいずれかを購入してみてはいかがですか?

シャトー・ジャマン

まずおすすめしたい銘柄が「シャトー・ジャマン」です。

シャトー・ジャマンはワインコンクールで金賞を受賞した実績を持ちます。

ボルドーワインの中でも隠れた逸品といえる実力派ワインで、骨太な味わいとブドウの風味が特徴的です。

色は美しいルビー色をしており、目と舌の両方で楽しむことができます。

リーズナブルな価格も魅力でしょう。

2,000円前後より購入できるため、ボルドーワインの入門用に適しています。

味が濃い肉料理や濃厚なチーズとの相性がよいため、パーティにも最適な一本です。

ルビー色と相まって、テーブルをいっそう華やかにしてくれるでしょう。

シャトー・オー・マジネ・ブラン

白ワインを楽しみたい方には「シャトー・オー・マジネ・ブラン」をおすすめします。

ボルドーワインでも珍しい白ワインで、ソーヴィニヨン・ブランなど3種のブドウをブレンドしています。

コストパフォーマンスにも優れており、一本あたり2,000円程度で入手できます。

口当たりはとても軽やかで飲みやすく、フレッシュなブドウの風味を楽しめます。

お酒が苦手な方でも飲みやすいのではないでしょうか。

品質も他のボルドーワインに劣りません。

価格は安いですが、ブドウ収穫から熟成まで厳格な品質管理が行われており、シャトーのワイン造りへの熱意が込められています。

こちらもワインコンクールで金賞を受賞した実績がありますので、品質は保証されています。

手頃な価格で上質なワインを楽しみたい方におすすめの一本です。

シャトー・レ・ゴティエ

赤ワインが好きな方は「シャトー・レ・ゴティエ」などいかがですか?

渋みと甘みのバランスに優れた赤ワインで、チェリーなど果実類の華やかな余韻も楽しめます。

ブドウは主にメルローやカベルネ・ソーヴィニヨンなど3種類をブレンドしており、美しいルビー色に仕上げられています。

シャトー・ジャマンと同様に、目と舌の両方で楽しめる一本です。

価格も2,000円前後からとお手頃です。
温度管理が徹底された醸造所で作られるため、品質においても文句のつけようがありません。

上質な赤ワインを手軽に楽しめますので、ワインに興味がある方はぜひ一度購入してみましょう。

まとめ

以上がボルドーワインの特徴や有名な銘柄ですが、ポイントは以下の4つです。

・ワインの女王と評される
・複数のブドウをブレンドして作られる
・ボルドーワインの中でも5大シャトーは別格
・初心者に最適な銘柄も多い

ボルドー地方はフランスを代表する高級ワイン生産地で、ブルゴーニュワインと人気を二分します。

↓「ワインの王」と呼ばれるブルゴーニュワインについて紹介しています。↓
なぜ愛される?フランス・ブルゴーニュワインの特徴

5大シャトーという高級銘柄もありますが、その他の手軽に買える銘柄も多くあります。

美味しいワインを嗜みたい方は、ボルドーワインも候補に入れてみてはいかがですか?

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